島根大学は教育学部付属の小中学校を2019年4月、新たな小中一貫校「義務教育学校」に移行する。31日に発表した。文部科学省と折衝中で、同省によると、17年4月に移行する広島県府中市立の小中2組が中国地方初のケース。島根大によると、中国地方の国立大では先行例となる。
義務教育学校は、改正学校教育法で16年度に新設された。小中の義務教育9年間を同じ学校で学び、校長は1人。教員は小中の免許を原則併有するが、当面はどちらかの免許でも勤められる。外国語や地域学習など独自の教科を採り入れられるのが特徴だ。
附属学校部長の藤田英樹教授は「鳥取大の教員養成課程がなくなった04年度から、山陰の養成拠点として小中一貫教育に対応できる人材養成を始め、08年度からは幼小中一貫教育をしてきた」と記者会見で説明。教育学部が今後、小中免許併有の人材育成に力を入れるため、「教育実習の場としても付属学校を整えたい」と狙いを述べた。
ログイン前の続き独自科目では、地域課題の発見や解決ができる人材育成を重視していることを挙げ、「ふるさと教育が学力向上になかなかつながっていない現状を改善したい」と話した。
教育学部の小川巌学部長によると、付属学校の義務教育学校移行をめざす国立大は福井、京都に続き3例目。「山陰の公立校も小中一貫が進む傾向がみえるので(モデルとなるような)提案型の教育を示せるようにしたい」と話した。
また、法文学部を今年4月に改組することも発表した。法学と経済学を共に学んでいる法経学科は、3年次から法学・経済学・司法特別の3コースから選べる。司法特別コースは弁護士などの法律実務家と研究者が協力して学生を教育し、斬新なカリキュラムだという。
2017.2.2
朝日新聞から転載